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東京地方裁判所 昭和42年(特わ)649号 判決 1968年7月13日

本店所在地

東京都台東区上野六丁目一一番四号

株式会社 百果園

(右代表者代表取締役 石坂英男)

本籍

東京都台東区谷中二丁目一番地六

住居

同都同区谷中二丁目六番四五号

株式会社百果園代表取締役

石坂英男

明治三四年一月一五日生

右被告人らに対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官宮本喜光出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告株式会社百果園を罰金七〇〇万円に、被告人石坂英男を懲役六月に各処する。

但し、被告人石坂英男に対し、本裁判確定の日から二年間、右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告株式会社百果園は、東京都台東区上野六丁目一一番四号に本店を置き、果物類の販売等を業とする資本金四、三二二万六、五〇〇円の株式会社であり、被告人石坂英男は、右会社の代表取締役としてその業務全般を統轄していたものであるが、同被告人は被告会社の業務に関し、法人税を免れるため売上の一部を除外して簿外預金を設定する等の方法により所得を秘匿したうえ、

第一、昭和三九年三月一日から昭和四〇年二月二八日に至る事業年度において、被告会社の実際所得金額は別紙修正損益計算書記載のとおり五、〇一四万三、七五一円であつてこれに対する法人税額が一、八一九万五、六七〇円であつたにもかかわらず、昭和四〇年四月三〇日、東京都台東区東上野五丁目五番一五号所在の所轄下谷税務署において同署長に対し、所得金額は一、四六七万〇、九二八円でありこれに対する法人税食は四七二万五、二〇〇円である旨内容虚偽の確定申告書を提出して、正規の法人税額と申告税額との差額一、三四七万〇、四七〇円については法定の納付期限に納付せず、もつて不正な行為により右同額の法人税を逋脱した。

第二、昭和四〇年三月一日から昭和四一年二月二八日に至る事業年度において、被告会社の実際所得金額は別紙修正損益計算書記載のとおり五、三〇九万七、〇三〇円であつてこれに対する法人税額が一、八五八万〇、〇六〇円であつたにもかかわらず、昭和四一年四月三〇日、前記下谷税務署において同署長に対し、所得金額は一、五〇六万〇、七六八円でありこれに対する法人税額は四五二万九、七三〇円である旨内容虚偽の確定申告書を提出して、正規の法人税額と申告税額との差額一、四〇五万〇、三三〇円については法定の納付期限に納付せず、もつて不正な行為により右同額の法人税を逋脱した

ものである。

(証拠の標目)

(一)、全般について、

一、登記官佐野直作作成の登記簿謄本

一、石坂統一作成の上申書

一、石坂統一並びに石坂重臣の各検察官に対する供述調書

一、大蔵事務官丸山徳次郎作成の簿外銀行預金各期末残高調査書、銀行預金調査書並びに税額計算書四通

一、押収にかかる元帳計三綴(昭和四三年押第五〇三号の二〇、二六)、経費明細帳計二綴(同号の二一、二七)並びに法人税決定決議書一綴(同号の二九)

一、被告人石坂英男の大蔵事務官に対する質問てん末書七通並びに検察官に対する供述調書一通

一、被告人石坂英男の当公判廷における供述

(二)、別紙各修正損益計算書の各科目のうち、

(1)  売上について

一、小池章介、豊永末広、九鬼東平並びに佐藤光男の各大蔵事務官に対する質問てん末書

一、大蔵事務官丸山徳次郎作成の売上計上もれ額期別調査合計表

一、押収にかかる手帳三冊(前同号の五)

(2)  受取利息、受入利息について、

一、大蔵事務官丸山徳次郎作成の銀行預金受取利息各期別調査書

一、押収にかかる貸付信託収益計算書二葉(前同号の六)並びにメモ一綴(同号の七)

(3)  仕入について、

一、大蔵事務官丸山徳次郎作成の簿外仕入額期別調査合計表、月報の仕入店舗別調査書並びに期別差益率調査合計表

一、押収にかかる売上月報五袋(前同号の八)、営業費月別表等一袋(同号の一八)並びに支払伝票一二綴(同号の一九)

一、株式会社百果園代表者石坂英男作成の上申書一通(昭和四二年五月二四日付)

(4)  期首商品について、

一、大蔵事務官丸山徳次郎作成の月報のたな卸金額と公表たな卸金額の比較表

一、押収にかかる売上月報五袋(前同号の八)

(5)  給料について

一、押収にかかる賃金台帳計三綴(前同号の二二、二五)

(6)  点灯燃料費並びに水道料について、

一、押収にかかる領収書伝票計二四綴(前同号の二三、二四)

(7)  貸付金利子認定について、

一、黒須弘、黒須保一、黒須治重並びに石橋博の各大蔵事務官に対する質問てん末書

一、大蔵事務官丸山徳次郎作成の個人資産負債調査書

一、押収にかかる土地売買契約書等一袋(前同号の三)、請求書領収証等一袋(同号の四)並びに借用書一袋(同号の一七)

一、株式会社百果園代表石坂英男作成の上申書三通(昭和四二年二月二八日付、同年四月三〇日付、同年六月五日付)

(法令の適用)

被告人石坂英男の判示各所為中、第一の事実は昭和四〇年法律第三四号法人税法附則第一九条、第二条により、その改正前の法人税法第四八条第一項に、第二の事実は昭和四〇年法律第三四号法人税法第一五九条第一項に各該当するところ、所定刑中いずれも懲役刑を選択し、以上は刑法第四五条前段の併合罪であるから、同法第四七条本文、第一〇条により犯情の重い判示第二の罪の刑に法定の加重をなし、その刑期範囲内において同被告人を懲役六月に処し、なお諸般の情状を考慮し、刑法第二五条第一項を適用して本裁判確定の日から二年間、右刑の執行を猶予する。

被告株式会社百果園については、その代表者たる被告人石坂英男が同会社の業務に関して前示違反行為をしたものであるから、判示第一の事実については昭和四〇年法律第三四号法人税法附則第一九条、第二条により、その改正前の法人税法第五一条第一項に則り同法第四八条第一項の罰金刑を、また第二の事実については昭和四〇年法律第三四号法人税法第一六四条第一項に則り同法第一五九条第一項の罰金刑をそれぞれ科すべく、しかして右各違反行為は刑法第四五条前段の併合罪であるから、同法第四八条第二項によりその合算額の範囲内において処断することとし、よつて同被告会社を罰金七〇〇万円に処する。

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 近藤暁)

別紙一 修正損益計算書

株式会社 百果園

自昭和39年3月1日

至昭和40年2月28日

<省略>

別紙二 修正損益計算書

株式会社 百果園

自昭和40年3月1日

至昭和41年2月29日

<省略>

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